マクラーレン570Sスパイダーに試乗 フェラーリ488、ウラカンより「買い」
公開 : 2017.07.28 18:10 更新 : 2017.07.28 18:36
気になることが、ないでもない
苦行は、ここで終わらず、マクラーレンの悪名高きカーボンファイバー製レーシングシートは、装備するランバーサポートで容赦なく背筋を伸ばした姿勢へと強要するのである。
一言でいって、570Sのインテリアは素晴らしい。しかし、マクラーレンのソフトウェア開発チームの造った、難解なIRISインフォテインメントシステムに慣れるのに半年を要することになるだろう。
手組みされる内装の立て付けと仕上げは、人間の業とは思えない完成度を誇り、オプションで装着できるトリムを追加すれば、質感はさらに増す。開閉自由な屋根は、機能的に不満はないし、40km/hまでなら、安全に開閉できる。
マクラーレンはこのクルマに、屋根を開けた時、ウインドディフレクターとして機能する、小さなガラス製のリアスクリーンを装備し、これを上げ下げすることもできる。天候に関わらず、このクルマに乗った時にサウンドと風を感じていたいという向きには最適の装備である。
しかも、トノカバーの下には、追加スペースが設けられており、荷物の置き場所として使うことができる(ハンドバックや小物を置くことはできるが、屋根を開ける時にはそれらを除外しなければいけない)。
風切り音は大きめだが、いっぽうスパイダーという構造上、サウンドを近く感じることができる。もの造りへの質実剛健な態度は、はっきりと切実に感じ取ることができるけれど……。
しかし、このクルマのポテンシャルの確信に触れた時、苦言は一瞬にして消え去ってしまうだろう。