有力な小型車9台を比較 日本からも日産/スズキが勝負(中編)

公開 : 2017.07.30 11:40

時代はあっという間に移ろう

フォード筋によれば、新たなデザインはフィエスタの熟成と洗練を感じさせることを意図したものだというが、この2台を見比べると、よりスマートで高級に見えるのはセアトの方である。

イビーザのシャープなラインと宝石を思わせるディテールは、上位機種のレオンから受け継いだもので、その反映はうまくいったといえる。

プロポーションは秀逸で、小さくまとめられたようには見えない。フィエスタより20mmほど長いものの、マツダよりは短いそのコンパクトさを感じさせない立派さだ。

もちろん、現代版ミニの魅力の大きさは誰もが知るところだが、マツダ2もまた、一般的なコンパクトカーを凌ぐ魅力の持ち主だ。

この2台を相手にするとなれば、フィエスタは絶好のスタートを切るというわけにはいかなそうだ。

注目したいのは、インテリアの雰囲気や使い勝手、マテリアルのクオリティや装備内容である。これらは、フォードが新型フィエスタで格上げを図るべく注力したと主張する領域だからだ。

しかし、その面で新たな基準を打ち立てたのはイビーザである。キャビンは他より目に見えて広く、パッケージングは4台中のベスト。このセグメントの購買層は重視しないかもしれないが、後席に成人が乗って快適に過ごせるのはイビーザだけだ。

その広さがあれば、チャイルドシートの取り付けなども楽に行えるだろう。フィエスタのキャビンは、マツダとほぼ変わらぬ広さで、荷室は大きいものの、その差はほんのわずか。イビーザよりは50ℓ以上少ない。ミニの実用性に妥協が必要なのは言うまでもないが、5ドアを選べばそれほど辛抱しなくて済む。

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