ロードスター再考(2) 初代ロータス・エリーゼ 当時のストーリー 今の印象
公開 : 2017.07.30 17:10
「その気」になるコックピット
コクピットに乗り込む際のプロセスは決して上品と言えるようなものではなく、コクピットに身を収めた後もフィジカルな面で安楽とは言い難い。
どこかしこもアルミニウム剥き出しで、目の前にはシンプルな2対のメーターが設置される。ドライビング・ポジションは理想的であるが、同時にペダルのポジションや視界も確実に確保されている。
どんな人が乗ったとしても、きっと「その気」になるに違いない。
開発当初はルノーの16バルブ・クリオ・ウィリアムズのエンジンを使用することを考えていたが、重すぎることが原因で却下になったそうだ。
もしかすると最終的に採用した、控え目なK-シリーズ4気筒エンジンには拍子抜けするかもしれない。しかしこのエンジンは軽く、手に入れやすく、また進取的であることから完璧だといってもいい。最高出力こそ120psに留まるものの、車重を考えれば十分な仕様だ。
パンチのある加速というよりも、MX-5にも通ずる外柔内剛なマナーこそがエリーゼをエリーゼたらしめる重要な要素だ。決して直線番長ではないのだけれど、コーナーに飛び込めば、そこにはロータス特有の振る舞いがある。