バイヤーズガイド(1) シトロエン2CV チェック項目や「買い」の1台は?
公開 : 2017.08.11 15:10 更新 : 2021.03.05 21:43
いま、シトロエン2CVを買うならば、どんなところを見ればいいのでしょう? 模範解答ともいえる1台を探しにでかけました。味わいぶかい「バイヤーズガイド」の第1回目です。
もくじ
ーそもそもシトロエン2CVとは?
ーインテリアのチェック項目
ー腐食についても押さえよう
ーあらためて2CVをドライブ
ー2CVの模範解答 「買い」の1台
ー総評 2CVを買うならば…
ーちょっと待って! 2CVの代わりも
そもそもシトロエン2CVとは?
デザインのどこをとっても革新的であること。それが、ピエール・ブーランジェが経済性と利便性の両立を狙って開発した2CVの特徴、いや特長だ。
空冷2気筒でディストリビューターもないため、製造コストも維持費も安い。
そのうえ軽量ホイールやフロントのインボードブレーキによってダイエットした抑えめのばね下重量と、互いに作用し合って独立懸架式に近い機能をもつ連結式のホリゾンタルコイルスプリングを用いているため、これまでに製造された中でも最も快適なクルマのひとつでもある。
ラック&ピニオンのステアリング、4速ギアボックス、個別に制御可能な換気暖房システム、ラジアルタイヤ、油圧ブレーキは、当時、同時代のクルマの先を行っていた。
車内から調整できるヘッドライトビームや、走行速度に比例して作動速度の変わるワイパーを持つ2CVのイノベーションは、今考えても未来的といえるだろう。
発表されたのは1948年だったが、開発自体は戦前から始まった。41年間生産され続けたが、英国で販売されたのはロンドン近郊のスラウ工場で製造されていた1953年から61年にかけてと、74年以降だけだった。
タルボット出身の優秀なエンジニア、ワルテル・ベッキアが設計した小さく頑丈な水平対向2気筒エンジンは、当初、ボアもストロークも62mmの375ccだったが、やがてオーバースクエアの602cc(74×70)に変わっている。