ランドローバー・ディスカバリーで行く JLRスロバキア新工場への旅(後編)
公開 : 2017.08.06 19:40
(おまけ)ヘリコプターを使った自動車工場の造り方
去年の10月まで、近くジャガー・ランドローバーの新しいニトラ工場となる、この地は手付かずであった。
最初の荷は11月に到着し、その時の気温はマイナス20度で、地面は凍りついていた。作業は順調で年末には引き渡しがされ、生産を開始する準備が整う。
ロシア製の重量級のヘリコプターが2度招集され、装置を屋根の上まで運んだ。通常なら3週間掛かるところを、1時間半で作業を完了させた。
プロジェクト責任者のビル・パトリックは、これを実現させた人物である。そして、われわれのいたホールは、クルマの車体が組み立てられる場所である。
彼らの仕事は、588のロボットを運び込むことから始まった、342のリベットガン、18の溶接ガン、106のターンテーブルと共に。
これらは、真っ平らなフロアに配置され、そのフロアには、これからテスト装置を取り付けるために数か所に窪みがあった。
ホールだけで、9万平方メートルあり、398の支柱が5300トンの鉄を支える。屋根から、ヨーロッパで最速といわれるコンベヤーが吊るされ、車体を移動させる。電気、水、空気、全てが屋根を伝わって供給される。
将来的にはフロアでこれらを展開することも考えられるが、地面を掘り返して地中に展開する様なシステムは考えられていない。電力に関しては、補助的な発電所が建設中であり、鉄道もまた同じである。