BMW M3 コンペティション・パッケージ試乗 マイナーチェンジの成果は?
公開 : 2017.08.08 11:43 更新 : 2017.08.08 13:02
他スポーツサルーンよりも「キレ」重視
低速域ではゴツゴツ感があるが、これは高速域に達するに従い劇的に改善する。ずっしりと安定感が増すのだ。
特にコンフォートモードを選択した時、このクルマの悪路での振る舞いは特筆に値する。
突き上げを上手くいなすことはもとより、揺らぐことなく、ギャップを越えていくことができる。
車体のコントロールは、天井からつま先までゆき届いており、ただただ恐ろしかった初期モデルと比べると、クルマとの一体感をより感じることができる。
しかし、かつての「悪癖」は最新型のこのモデルでも改善されなかった。ツインターボで加給される直列6気筒エンジンが火を噴く時、後輪はいとも簡単にグリップを失ってしまうのである。
いっぽう、スタビリティコントロールの介入が抑えられたMダイナミックモードを選択すると、旧モデルとの変化を発見できる。
電子制御を解除すれば、信頼を寄せてアクセルを踏み込み、スライドコントロールを自在に行える。
向きを変え始めてからの動きは実にキレがある。他のスポーツサルーン、例えば、アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオなどにくらべると、かなりメリハリのある動きをする。
最高出力は450ps。標準で6速マニュアル変速機が装備されるが、多くのM3購入者は7速DCT変速機を選択するであろう。
エンジンは、今までどおりキャラクターに欠け、そのサウンドは気の抜けたようである。しかし、レスポンスとパフォーマンスに関しては文句の付けようがない。