ロードスター再考(3) ルノー・スポール・スピダーに今ふたたび試乗
公開 : 2017.08.09 11:40 更新 : 2021.03.05 21:35
いざ走らせよう 極めて外交的なクルマ
それでも0-97km/h加速は7.4秒とくれば、さほど遅くはない。それに耳に直接届いてくるエンジン音は体感速度を速めた。
走行会でエリーゼと張り合おうと思えば、あと20〜30psほど必要になってくるけれど、それ以外に問題といえる問題はない。コーナーでは距離を縮められるはずだ。
グリップは豊富でピッチやロールは事実上ゼロ。ステアリングは超がつくほどダイレクトである。
アルピーヌA610から流用したブレーキは傑出していると言うほどまでもないが、高効率なのは間違いない。
リバースにいれる際、一度シフトノブを捻ったあとに左へ倒して、前に押し込むという慣れない動作を強いられるという点以外は、ギアボックスも然り、である。
エリーゼのオーナーが、その乾燥重量を鼻にかけていたとしても、気にする必要はないし、1980年代以降のクルマはどこか色彩を欠き退屈だという先入観を払拭するきっかけにもなる、極めて外交的なクルマである。