ロードテスト(2) メルセデス-AMG GT R ★★★★★★★★★☆
公開 : 2017.08.12 11:10
【ロードテスト復活記念(2)】1台のクルマを徹底的にテストし、数値データをあつめる「ロードテスト」が、このたび復活いたします。2台目はメルセデス-AMG GT R。惜しくも満点を獲得できなかった理由は?
もくじ
プロローグ
「メルセデス-AMGが、これほど多くのモータースポーツテクノロジーを市販車に投入したことは全くなかった」とは、今回テストするメルセデス-AMG GT Rの、プレス向け資料の冒頭に記された一文だ。
彼らは、ほかのメーカーやファクトリーチューナーが成しえていない成功をモータースポーツの分野で収めてきたのだから、その関連性を主張するのも道理だ。
2012年以来、メルセデスのF1プロジェクトでカギを握ってきたのはもちろん、ドイツ国内ではDTMで他のいかなるチームよりも成功しただけでなく、2010年からはカスタマーマシンの販売も行っている。
今回、1400万円を超えるサーキット志向のスポーツカーとしてGT Rを発売するにあたり、アファルターバッハはレース界のいくつかの名門と渡り合うことが求められた。
フェラーリやポルシェ、マクラーレン、そしてアウディ。どれもビッグネームだが、AMGもまた、市販車に応用できるモータースポーツでの豊富な専門知識とテクノロジーを手にしているといえる。
そうしたノウハウを用いて造り上げられたGT Rは、AMGのかなり上位にランクインしそうなクルマだ。
過去10年にわたり、われわれがその位置にあるとみなしてきたのはブラックシリーズで、特に伝説的なCLK63や680psのSL65、またSLSブラックシリーズ辺りは秀逸なものがあったが、GT Rはその上を行きそうだ。
これは非常にスペシャルなモデルに違いなく、ニュルブルクリンクの悪名高きノルドシュライフェで鍛え上げられたのだから。
AMGの首脳陣は、興奮交じりにGT Rについて語った。それは彼らが長らく待ち望んだ不動の王者、ポルシェ911GT3への一撃だ。
CEOのトビアス・ムアーズは、瞳を輝かせていた。これは彼の会社の急速な進歩と熟成ぶり、そしてもちろん能力の広さを示すものであり、今こそ、それを実証するときだと、彼は考えている。