ロードテスト(2) メルセデス-AMG GT R ★★★★★★★★★☆

公開 : 2017.08.12 11:10

インテリア ★★★★★★★★★☆

軽量化されたクルマというと、ポルシェ辺りでは内装のあちこちが剥ぎ取られたものになりがちだが、AMGのやり方はそんな乱暴なものではない。

インテリアの装備や快適性は、ベーシックなGTと大きく変わらないのである。大きく異なるのは、アルカンターラの張られた部分が広がり、4点ハーネスを通すためにスリットが切られたバケットシートが据え付けられていることくらい。

しかも、アルカンターラのトリムはみごとな見栄えで、オプションのトラックパックを選ばなければ4点ハーネスが無駄に付いてくることもない。

つまり、ハードコアなスポーツカーでありながら、ラグジュアリーなメルセデスでもあるのが、このGT Rなのだ。そこに、何ら不具合は感じられない。

ドライビングポジションはもちろん、助手席の居心地も上々。フロントウインドウは上下に薄く立ち気味だが、ノーズは絶望的なほど長い。

とはいえ、視認性はおおむね良好だ。手動式となるステアリングホイールの調整は望みどおりに決まり、裏側に取り付けられた小ぶりでつややかなシフトパドルは、ステアリングホイールとともに回る。

アルカンターラがたっぷりと巻かれたリムは部分的にフラットな形状で、中立を示す目印が取り付けられている。

幅広く、高さもあるセンタートンネルには、AMGお約束のずんぐりとしたシフトセレクターレバーが備わり、それをさまざまなスイッチ類が取り囲む。ダンパーの硬さやエグゾーストノートなど、各部の個別設定は、レバー前方のダイヤルで行える。

Rの専用装備となるのが、中央エアベントの下にある黄色いスイッチ。通常ならハザードランプのスイッチがありそうな場所に配置されたそれは、マルチステージ式トラクションコントロールの調整ノブだ。

それ自体は小さいが、セレクトしたセッティングは計器盤中央のディスプレーで確認できる。もちろん、その表示が追加されても、通常通りインフォテインメント系ディスプレーとしての機能はオミットされていない。

実用性についても、非Rモデルと変わるところはない。パッケージング的に、GTは911に劣るところがあるが、大きく開くテールゲートの下には、大きなラゲッジスペースが広がっている。

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