回顧録(2) 初代アウディRS4(B5)試乗 「夢中になれない」は本当?

公開 : 2017.08.11 19:10  更新 : 2017.08.11 20:12

走らせてみれば「食わず嫌い」解消へ

すぐにでも欲しくなるようなクルマだとわたしは思う。

速いクルマで、鋭敏さと攻撃性のバランスがこれほどみごとなものは少ない。近年のパフォーマンスカーのような、これ見よがしのルックスでないのもいい。

内装も好ましい。

最近のクルマは、軽量化やコスト削減に走って、このRS4の頃にあったような重厚さに欠ける。

たしかにやや時代遅れなのは認めるが、想像していたほど古臭くはない。

試乗した個体にはオプションのバケットシートが装着されていたが、サーキットを攻めるには重さも豪華さも過剰なRS4では、無駄なように感じられる。

なんといっても、これはワゴンなのだ。とはいえ、そのことがまた違ったアドバンテージを生んでいる。この手のハイパフォーマンスなネオヒストリックカーに、ファミリーで使えるものはそうそうない。

そして、走らせればこれが速い。ターボラグはあるが、それは小さく、2.7ℓV6そのものが活発なユニットなので気にならない。

ゼロ発進から4輪が駆動し、ふたつのターボはそれと気づかぬうちに回り始める。それによって、視界は流れて不鮮明になり、あっという間に距離を詰めていく。

ベストな状態にあるクラシックな速いアウディは、洗練され控えめながら、同時にショッキングなパフォーマンスを得られるもの。そして、ウェットでもドライでも、ほぼ変わらぬグリップを体感できるものだ。

しかし、熱中できるかという点はどうなのか?

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