回顧録(3) 三菱ランサー・エボリューションVI ‘T.M.E’ 試乗
公開 : 2017.08.12 15:10
アクセルペダルを蹴飛ばそう
エンジンは優しいストリングスのように始動し、穏やかに始動する。ラリーでの偉業とは裏腹に、街中での印象はとても快適だ。
しかしそれは高速道路に出た途端に一変する。スピードを上げる瞬間は、まるでスタートレックのワンシーンのよう。
宇宙船がぎゅっと縮んだ後に引き伸ばされて、閃光と共に消えていく、あの感じ。それがランエボVIで感じたことだ。
アクセルペダルをフロアにめがけて蹴飛ばせば、強烈な加速とともに、みぞおちの辺りが締めつけられる感覚がある。
そう、背中はシートバックに強烈に押し込まれる。もっと言えば、ヘッドレストから頭を浮かすのに背筋には力が入り、何とか顔を持ち上げる頃には、ランエボVIは爆弾でも内蔵していたかのように、加速していく。
0-100km/hの加速は印象的なのだが、ターボブーストが効き出す前の3000rpm以下の回転数では、エンジンは眠ったままだと言うことは、忘れてはいけない。
コーナーを曲がるときも同様だ。