フィアット500、60歳に 「ノース・コースト500」を巡る旅(後編)
公開 : 2017.08.13 17:40
【後編】誕生から60年を迎えたイタリアのスモールカー。フィアット500を英国都市部からスコットランドの「ノース・コースト500」まで連れ出しました。
もくじ
前編
ーフィアット500の誕生を祝って
ー力は5倍 車重は2倍 全長は30%増
ー激しいアップダウン 体感する500
ーいいところ 気になるところ
ーアップルクロス峠 心打たれる
後編
ー湾から城 それから橋へすすむ
ージョン・レノンの「あの場所」へ
ー世界で一番短い通りを抜ける
ー人類の歴史にと歩んできたクルマ
湾から城 それから橋へすすむ
翌朝、グルイナード湾の美しい朝日に西海岸の柔らかな砂が照らされ、海が青く輝き始める。にわか雨が目の前を横切っていく。
ヘリブディタン行きのフェリーのせいで道路が少し混んでいたが、ロッテルダムのA835号線は静かで快適だった。
高速カーブの間の直線で、ギアチェンジをして追い越しをかける。現代のパフォーマンスカーが持っている程のパワーが無くても大丈夫。
われわれはアードレック城とカルダ城の遺跡を通り過ぎた。どちらも数世紀前の繁栄の印とも言える美しいものだが、その平和は長く続かなかった。カイルズク橋で休憩をとる。
自然と融合するようなコンクリート造の橋で、1984年に開通するまでは160kmも迂回して走るか、フェリーを利用していた。
ほとんど勾配のないディオナード川に沿って進み、海風の強いダーネス村に入ると、24時間営業のガソリンスタンドを見つけた。この地方を訪れる場合、ここでガソリンタンクを満たしておく方が賢明だ。