回顧録(4) BMW 8シリーズ(E31) 新型の吉凶も占う
公開 : 2017.08.13 16:10
8シリーズ不振 当時の対応とは
まず手始めに、トップレンジとして計画されていたM8の開発を中止し、その代わりにMディビジョンが850iのドライビングにテコ入れを行った、850CSiを導入した。
同時に、4ℓV8を搭載した840iも導入した。この時、BMWは、テクノロジーを誇示するのではなく、マッスルなGTカーを目指し、遅まきながら自身がその居場所をみつけるに至った。そして、後の1995年にフェイスリフトを決行する。
V12モデルは、326psを発する5.4ℓエンジンに、V8モデルは、刷新されたが出力は同等の286psを発し、トルクと燃費の向上を果たした4.4ℓエンジンに換載された。
さらに、V8モデルには、850CSiのボディキットとハードなサスペンションを搭載した、840Ciスポーツが追加された。
840Ciスポーツは、恐らく8シリーズの中でベストなモデルであろう。今日このクルマをドライブすると、当時BMWが8シリーズの問題に対して勇敢に立ち向かった、その様子を窺い知ることができるであろう。
ワイドなタイヤとハードなサスペンションを投じて、車体のロールを抑制しているが、これはグリップを得る為に大きな役割を果たし、このクルマがコーナーでスピードを維持する事に貢献している。
そのようなシチュエーションでこのクルマを運転するのはとても楽しい。