アウディRS3「セダン」 AMG A45/BMW M2への優位性は? 試乗記
公開 : 2017.08.14 12:20 更新 : 2017.08.14 12:22
クワトロ・システムと乗り心地は?
たしかに、このクルマはモンスター級のパワートレインを積んでいる。しかし、それがこのシャシーの非常に高い信頼性を揺るがすことは全くないのである。
30ps以上の上乗せはあるが、それを受け止めるのは、軽量化と制御の最適化が図られたという多板クラッチ式クワトロ4WDだ。
これは、最新のRS5同様のフィーリングが感じられる。
低速コーナーでは、スロットルペダルを床に届くほど踏み込むと、トルクが明らかに外輪へ多く分配され、少なくともウェットコンディションでは、精密な前後バランスを忘れさせる。
かつてのRS3にみられたアンダーステア傾向を考えると、オプション設定されたワイドなタイヤは歓迎すべきものだ。
標準装備のパッシブサスペンションもまた、おおむね温和な性格である。
セダンの乗り心地はスポーツバックよりはわずかながら優しいが、それでも硬くエネルギッシュな印象だ。とはいえ、垂直方向があからさまに硬いにもかかわらず、間断なくそれを感じるものではない。
オプションのスポーツ仕様では、アウディお得意のアダプティブダンパーが装着され、コンフォート・モードではより快適性が増す。
ただし、最もハードなモードを選ぶと、英国の道路ではあまりにも硬すぎる。サスペンションの選択には、議論の余地があるといえる。
それ以上に問題なのはステアリングだ。