空冷と水冷、あなたはどっち? ポルシェ993と996を比較試乗(後編)
公開 : 2017.08.15 16:40
993と996 オーナーの語る「ポルシェ像」
「夏にはこのクルマでフランスのカルカソンヌに行きました。ポーツマスまでクルマを走らせ、ビルバオまではフェリーに乗り、ピレネーまでドライブし、そこでわたしの父と母と合流しました。この長距離ドライブ、特に山越えが楽しくて堪りませんでした」と、のろけ話も勢いを増すばかりだ。
「ポルシェ991を貸りたこともありますよ。ただ、最近のモデルは速すぎます。ほんの数秒アクセルを踏み込めば、あっという間にモーターウェイの終点まで到着してしまいそうな気分になります。それに比べると僕の993は、絶対的な速さはないけれど、夢中にしてくれます。特に長距離ドライブでそう感じますね」
一方、996のオーナー、アリステア・アルブレット(音楽プロデューサー)は、マッキンレーの993に乗り込んで「いやぁクラシックですね。僕の996はもっとモダンですよ」と胸を張る。
「ずっと昔にマセラティ・グランスポーツを持っていたこともあるんですよ。あれは速かったなぁ。身の危険を感じる速さでしたね。レンジローバーにも乗っていましたが、乗り続けている間に価値が半分に下がってしまったのには泣かされました。整備代も嵩み、ランニングコストもかなりの金額でした。もう、クルマにお金をかけるのにウンザリしちゃったんです」
「それに比べると996は最高のオモチャです。気に入っていますよ! このクルマは、走行距離がまだ短く、オーナー履歴もはっきりしていますから、価値が下がることもないでしょうね」とアルブレットは語ってくれた。
本当にその通りだ、とわたしも思った。