ヒュンダイ流、プリウスPHEVとの戦い方とは アイオニック試乗記
公開 : 2017.08.15 20:10 更新 : 2021.03.05 21:38
■どんな感じ?
基本EVだがエンジン介入過多 燃費良好
PHEVと聞いて想像する通り、これは熱い走りを楽しむクルマではない。走り始めから感じられるのは、アイオニックの他バリエーションと同じキャラクターだ。
すなわち、リラックス気味で静かだが、全開加速にだけは驚かされるといった類のスタイルである。しかし、そうしたくつろいだ物腰となったのは偶然ではなく、このセグメントの顧客が電動パワートレインに望むものを検討した結果だ。
フル充電してあれば、デフォルトはEVモードで、モーター走行をメインに、激しい加速の際にのみエンジンがアシストする。残念なのは、エンジンの介入が必要以上に早く、モーターだけで走行できる距離が思ったほど長くないことだ。
それでも、燃費系の表示限界である99.9mpg(約35.4km/ℓ)を容易に超える。ヒュンダイによれば、EVモード時のバッテリーのみでの航続距離は60km強だというが、われわれが市街地でテストした際には50km弱しか走らなかった。
HEVモードに切り替えれば、発進時はモーターがフルに働き、それからエンジンが緩やかに介入し速度を2桁へと上げていく。スロットルを穏やかに操作すれば、一連のプロセスはシームレスに続く。
しかし、モアパワーを望むと、エンジンは突如として目を覚まし、ショックと唸りを伴い加速する。
スロットルペダルを踏み続けると、決して変速がクイックではないDCTが、加速を明らかに途切れさせ、中断なく前進するプリウスPHVに比べるとありふれたクルマに感じられるようになる。市街地の交通の流れに乗って走れば、燃費は19.5km/ℓといったところだ。
シフトセレクターをスポーツモードに入れると、デジタル表示の計器盤は赤く光り、メイン項目が速度からエンジン回転へと切り替わる。その際、車速は下の方に小さく表示されるのみとなる。
それではペースをあげてみよう。