「生ける伝説」 BMW 3.0CSL vs M3 CSL 当時の時代背景を学ぶ(後編)
公開 : 2017.08.17 17:10
3.0CSLとM3 CSL どっち?
M3 CSLは、ニュルブルクリンク北コースで8分台のラップを記録し、ポルシェの過大評価された6気筒エンジン搭載の「ビートル」を打ち負かすため生まれたモータースポーツディビジョンのクルマに期待されるすべてを兼ね揃えている。
どんなに曲がりくねった道でも、このクルマは決して慌てたり、対応にまごついたりしない。オリジナルM3の価値ある本当の後継モデルといえるだろう。
しかし、レースから生まれながら、滑らかな乗り心地のE9が、公道車をレースサーキットで調整したE46より洗練されたロードカーだというのはなんとも皮肉だ。
最終的に勝利したのは、炎を吐くように過激なM3 CSLではなく、もっと陽気な3.0CSL「バットモービル」だった。
バットモービルはひとを引き込み、より大きな喜びをもたらしてくれるため、思わずドライバーも虜になってしまう。
もちろん性能はE46の方が一段上だが、高速でも低速でも楽しめるのは、クルマとストレートに会話できるE9の方だ。