出力2倍の825馬力 フォード・マスタング「サットンCS800」 試乗記

公開 : 2017.08.18 12:40  更新 : 2018.03.27 10:10

CS800 走らせるとどうなのか?

デモカーのアピアランスは、かなりの存在感を放つ。しかし装備されたショートシフト・キットはシフトチェンジが難しく、ミッションが加熱してくると4速の入りが悪くなり、運転にはかなりのコツが必要だ。

メカニカルノイズと排気音は重層的なもの。V8エンジンならではの音に加え、インダクションシステムやエグゾーストノート、スーパーチャージャーなどの音が重なり、神々しく聞こえるほど。

ただ、この最高出力の数字だけを見てクルマに乗った場合、最速のクルマだとは感じられずに落胆するかもしれない。CS800は地平線がみるみる近づいてくるほど排他的に速いが、例えば日産GT-Rの加速とは、趣が異なる。

ターボチャージャーの過給によるエンジンのパンチ力はあるが、ハイギアードに設定されているため、線形的な加速にはつながらない。

つまり、シフトアップさせる度にアクセルペダルを踏みつけエンジンの回転数を上げ、ターボ過給を効かせて加速していくからだ。

一方でハイギアードな設定のおかげで、2速でも十分なトラクションを得ることができる。

むしろハイギアードな設定過ぎて、レッドゾーンまで回してシフトアップするという機会自体がほとんどなく、825psを発揮できる場面は限られているほどだ。

シャシー・セッティングはどうか。まず、曖昧で希薄なステアリング・フィールにがっかりしてしまう。

ただ、スロットルを大きく開けるまでは、バランス自体は良く取れておりキビキビとした印象を受ける。

乗り心地は、調整式のダンパーなので改善できる可能性はあるものの、路面の細かな凹凸までを逐一拾い、常に揺さぶられている印象だ。

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