回顧録(5) ポルシェ911ターボ(930) 当時の評価、いまの感触は?
公開 : 2017.08.18 16:40
「これぞ!」といった見た目のポルシェ930ターボを、いまドライブしたら、やっぱり速いのでしょうか? 英国編集部が試しました。
もくじ
ーポルシェ911 「ターボ」の歩み
ー数値で振り返る「930ターボ」
ー当時の自動車雑誌の評価は?
ー完ぺきなコンディションに酔いしれる
ー「ウッ! と声が詰まるほどの速さ」
ーサウンドやシフトフィールは?
ポルシェ911 「ターボ」の歩み
助手席にひとが乗っているかどうかにかかわらず、ポルシェ911を運転していて寂しく感じることはない。
シンプルなインテリア、左側に寄ったオルガン式のアクセルペダル、おばあちゃんのビクトリア調の衣裳箪笥のプレートのように折り重なったVDO製メーター、RRの駆動方式、数多くのヒストリー、そして評判。
1マイル走るだけで向けられてくる数々の賞賛の眼差し。あるいは時に批判的な視線を含めてドライバーを飽きさせないからだ。
ポルシェは、1969年に911と914-6用にターボチャージャー搭載の2ℓ901型エンジンを試作していたから、ターボチャージャーの開発競争の先頭に立つ可能性も十分にあった。しかしながら開発計画は棚上げされた。
そこで同社は1975年まで待ち、強力な917/10Kと917/30KLで1972年と73年のCan-Am選手権を制覇した後に2994ccの911ターボをようやく発表したのだった。
カレラRS 3.0に似た新型モデルの広く設けられたトレッド幅、フロントとリアの巨大なアーチは注目を集めたものの、なんといっても911ターボの永遠のシンボルはこの「ホエールテール」形のリアスポイラーがアイコンになった。