ロールス・ロイス・レイス「ブラック・バッジ」 ルーマニアの旅(前編)
公開 : 2017.08.19 19:40 更新 : 2017.08.19 19:40
目的地はルーマニア 4日間2880km
この場所は、長い間、ルーマニアの独裁者の名を取って、チャウチェスクの愚行と呼ばれていた。なぜなら、この険しい崖と極寒の労働環境がたびたび何百人もの労働者の命を奪ったからである。
多大な犠牲が支払われ、この国に残されたのは、年間3カ月から4カ月間しか開通できない、とても高地にある険しい道と時の首相が山頂付近に造らせたハンティング・ロッジである。
この40年で、ルーマニアは、民主化を歩みトランスファガラシャンは、バイカー、カーエンスージァスト、キャンパー、スキーヤー、そして、その素晴らしい絶景を一目見ようとやってくる観光客にとって、人気のある観光スポットとなった。
われわれは、ミュンヘンによく晴れた朝の10時に到着した。そこでは、世話好きなロールスの担当者がレイスのシンプルなコントローラーの説明をしてくれたが、誓約書に署名をするなりいなくなってしまった。
つまり、これで、4日間に渡る、往復2880kmの旅が始まったのである。
計画は、大雑把ではあるが、詳細は詰めた。2日掛けてルーマニアの中部へ向かい、ドライブと撮影に1日を費やす。そして、2日掛けて戻ってくる。ミスは許されない。