ロールス・ロイス・レイス「ブラック・バッジ」 ルーマニアの旅(後編)

公開 : 2017.08.20 19:10

警備員ふたたび 彼らが求めしもの

帰路に関しては、ロールスが引き続き素晴らしいパフォーマンスを披露してくれたこと以外に、特に報告することもない。

帰りのルーマニア国境ちかくで、同じ警備員と出会ったが、その時はいざこざは一切なかった。

彼等はわれわれのことを話題にし、このクルマがなんなのかを理解したようだ。

ひとりは、スターライト・ヘッドライニングを見たがり、もうひとりは、アルミとカーボンファイバーで形成されるダッシュボードを同僚に伝えたいようだった。

その時は何を要求されたのか?

お金でもなく写真でもない、ハンガリーへ向かって出発した時に、バーンアウトとまではいかないまでも、そんな加速を披露してみた。

ミュンヘンに戻って、初めてこのクルマのトラクションコントロールが解除できることを知った。そんなことができると思ってもみなかったのだが。

ブレーキを踏んで車体を留め、右足を踏み込み、左足を離せば、突進である。喝采の声が一瞬にして聞こえなくなれば、それはわたしがよい仕事をしたという証である。

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