ロードテスト(4) アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ ★★★★★★★★★☆
公開 : 2017.08.20 11:50 更新 : 2017.08.20 11:55
ロードテストの4回目は、いよいよ日本国内でも正式にデビュー予定のアルファ・ロメオ・ジュリアです。なかでも最高位モデルの「クアドリフォリオ」を徹底検証。C63やRS4などといった、強力なライバルと戦えるか? はっきり答えをだします。
もくじ
プロローグ
アルファ・ロメオほど、揺るぎない支持と熱意を顧客から集めるメーカーはそう多くない。そして、その情熱を当然とばかりに受け止めて、裏切り続けてきたメーカーとなると、さらに少ない。
後輪駆動セダンの75を生産終了して以来25年、かつては世界をリードしたこのイタリアンメーカーが、十分な投資を怠り、自社の真のスポーティな価値をおろそかにした挙句、かつての成功が影をひそめてしまったのを見てきた。
ドイツのライバルたちが後輪駆動レイアウトでの運動性におけるアドバンテージ獲得のために資本を投下してきたのに対し、トリノが造り続けてきたのは156や147、159にブレラといった、比較的プレーンなハンドリングの前輪駆動車だ。
しかし今、新たなすばらしい兆しが見えてきた。2010年代末までに行う多額の投資プランの一環として、アルファはラインナップを刷新し、全てのモデルのパワーウエイトレシオとドライビングの魅力でマーケットをリードするというのだ。
今回テストする新開発されたジュリアは、そのニューモデル群の第1弾となる。
ベースとなるのは、新たな後輪駆動プラットフォームのジョルジオ・アーキテクチャで、軽量構造に先進的なドライブトレインやサスペンションのテクノロジーを採用している。
ジュリアは、誰の目にもアルファ・ロメオのブランドにふさわしいモデルと映るだろう。機会の信頼性に値段は付けられないという声もあるかもしれないが、フィアット・クライスラー(FCA)のセルジオ・マルキオーネ会長兼CEOはそうではない。
このプラットフォーム開発と一連の改革に相当の投資をし、それにより昨年と、おそらく今年も損失を計上するほどなのだから。
FCAのアルファへの資本投下は2020年までに€50億にも達し、それだけに経理担当者は、このクルマが遠くないうちにオーナーたちのもとへ届けられることを強く望んでいるだろうことは想像に難くない。
しかし、そんなアルファやFCAの事情より、われわれ自動車メディアには気になるものがある。それがジュリア・クアドリフォリオだ。
イタリア・カッシーノの生産ラインはペースアップ中で、ジュリアのラインアップは今後も拡大が続く見込みだが、それに伴いBMW Mやメルセデス-AMG、アウディ・スポーツを追撃すべく用意されたのがこの510psのスーパーセダンだ。
今回は、トリノ復活の狼煙となるこのクルマの実力を探ってみよう。