ロードテスト(4) アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ ★★★★★★★★★☆

公開 : 2017.08.20 11:50  更新 : 2017.08.20 11:55

インテリア ★★★★★★★☆☆☆

かつてのアルファは、どうにも風変わりなドライビングポジションの持ち主だった。その一因は右ハンドルへの変換で、また別の要因はアルファがそれを深刻に受け止めていなかったことだ。

そういった特殊な状況はなくなった。着座位置はストレートで、前後/上下ともしっかり調整できる。ステアリングホイールは、位置といい大きさといい完璧に近く、調整幅はライバル以上。リムの変形度合いもクラス水準といったところだ。

試乗車には£2,950(41万円)のオプションであるカーボンフレームのスパルコ製シートを装着。われわれはノーマルシートのクアドリフォリオを試しておらず、このスパルコがドライビングポジション改善の一助になっているとも考えられるが、スタンダードなジュリアの運転環境も健全で、計器類は読みやすく、スイッチ類のレイアウトもほぼロジカルなものだった。

インフォテインメントやコネクティビリティの面はその限りではないが、少なくとも空調関連は扱いやすい。

マテリアルはおおむね上々。カーボンファイバーは見栄えもフィールも本物らしく、レザーとステッチは高品質だが、金属調プラスティックの質感は後退し、ドイツ車のソリッドさに比較すれば、室内の雰囲気は5年分くらい逆行したように感じられる。粗さがしのようだが、それが現実だ。

後席は十分に快適だ。スパルコのシートはレッグルームを多少侵食し、硬い素材が剥き出しなのも万が一の場合の不安材料だが、これがクアドリフォリオを名乗るスポーツモデルであることを考えれば、さしたる問題とは思えない。

後席座面が倒れず、トランクスルーの開口部が小さいのも、同じ理由で納得できる。そうした点を重要視するなら、ノーマルのジュリアを選べばいいのだ。

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