ロードテスト(4) アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ ★★★★★★★★★☆
公開 : 2017.08.20 11:50 更新 : 2017.08.20 11:55
乗り心地と操縦安定性 ★★★★★★★★★★
このジュリアで、最も驚いたのがこの項目だ。運動性能的にセンセーショナルなクルマで、過去10年ほどの間は、アルファ・ロメオに乗ったことがあっても、こういうものには出会ったことがないはずだ。
まず、乗り心地が良好。それはスムーズな路面をゆっくり流す時ばかりでなく、不整路面を飛ばす時でもそうだが、申し分のないボディコントロールと巧みな乗り心地はこのクラスであればどのクルマでも得られてしかるべきものだ。
アダプティブダンパーの制御はマルチモードで、エンジンはハードに、サスペンションはソフトに、といった個別設定も可能だが、英国の道ではおそらくそのセッティングを選ばれることが多いだろう。
スムーズな路面では、最も硬いモードでも良好だが、不整路面ではもっとソフトなモードを選んだ方がいい。
その乗り心地とハンドリングは、スポーティなジャガーを思わせる、と言ったら言い過ぎかもしれないが、そのくらい、英国の悪路にも素晴らしくフィットしてくれる。
ステアリングもまた、英国の道に合っている。ロック・トゥ・ロックは2.25回転とクイックだが、ナーバスさは全く感じられず、フィールの豊かなスポーツカー的ラックながら、細く身の詰まったリムがフィルターになって、レースカーのように敏感すぎるのではなく、ドライバーズカーにより適したインフォメーションを伝えてくれる。
バランスもまた、うれしくなるほど良い。均等な重量配分により、フロントヘビーさがなく、有り余るパワーでリアを振り回すことができる。
コンディションが良好ならトラクションは豊かだが、状況が悪化すると明らかに低下する。
しかし、どんな場合でもあまり類を見ないほどの安定性と運動性能を示してくれる。メルセデス-AMGはもっとハードで、BMWはこれほどのまとまりがない。
このアルファに乗ったら、同クラスのライバルのことは忘れられる。