2.0ℓ4気筒エンジンのジャガーF-タイプ・コンバーチブル 試乗記
公開 : 2017.08.24 12:10
■どんな感じ?
なにより嬉しい、鼻先の軽さ
開発チームが使ったのと同じ、ノースウェールズの道を走ってみた。
高価なV6やV8のほうがマッチしていることは先日クーペを試乗したときから思っていることだが、控えめな4気筒エンジンのおかげで、クルマをよりコントロールしやすいと感じる。
従来の屈強なエンジンを持つF-タイプは、速くてスリリングなクルマであるが、一方で路面状態によっては制限を受ける。
しかしこの2ℓエンジンはトルクこそ小さいものの、シャシーとの組み合わせは、むしろこちらのほうがいいように感じる。
エンジンは純粋なスポーツカー向けのものではない。しかしジャガーの開発陣は上手にそれを隠している。
レブまで気持ちよく吹け上がり、加速と同時に、たちまちピークパワーが訪れる。
ダイナミックモードだとギアの変速が任意になるが、通常時の8速オートマだっていい仕事をする。ちなみにチーフエンジニアのマイク・クロスは4気筒モデルにマニュアルミッションの設定を設けることは今後も無いだろうと述べた。
4気筒エンジンの特筆すべき点は、V6よりも52kgも軽いということ。つまり車体前方が軽くなっていることを意味する。
重たいモデルよりもコーナリング性能に長けていて、グリップレベルは一級品であり、意のままである。
サスは柔らかなスプリングが、しなやかなダンパーと組み合わさっていて、悪くない乗り心地。しかし少し荒れた路面だと浮き上がるような感覚もある。
一方、ステアリングの応答性は素晴らしい。
エグゾーストの聞き心地がもう少しよければ……と思うのだが、これはわがままだろうか。718ボクスターにも共通するところだが……。