BMW M5(E60) vs アウディRS6(C5) アウトバーンの覇者 今なお健在?
公開 : 2017.08.26 10:40
高回転域、まさに「天国」
低速トルクは、かつて乗った時の記憶よりも豊かだが、それでも3500rpm以下では元気があるとはいえず、音も耳障りだ。
状況が好転するのはそれより上の領域で、回転が上がるにつれサウンドも強まり、レッドゾーンが近付くとF1の血統を感じさせるようになる。
シャシーは秀逸で、スプリングは硬いが、ダンパーの働きは上々で、理想的な重さのステアリングは豊かなフィードバックを伝えてくる。
ハンドリングのバランスはほぼパーフェクトで、高出力ターボならば低回転域から頻繁に介入するスタビリティ・システムを目覚めさせないという点では、低速トルクの細さにも利点を見出せる。
となれば、走行距離を重ねた個体でも、ぶら下げたプライスタグに見合う価値があるのだろうか。
市場では、個性に乏しいF10世代に対しスペシャル感の強いE60世代が再評価されつつあり、ここ数カ月の英国の動向は価格が上昇する気配を見せている。
値付けの基準は年式よりも程度で、初期型と後期型の差額は小さい。コンディションの良い個体は£20,000(280万円)前後、よりレアなツーリングは£2,000(28万円)ほど高いといったところが相場だ。
RS6はそれより安い傾向にある。