ホンダ・インテグラ・タイプR(DC2)に試乗 「前輪駆動の英雄」と評価
公開 : 2017.08.27 09:40 更新 : 2017.08.29 12:18
世界で最高のドライバーズカーかも
旋回性の良さと、前輪駆動車の中でも最良のパワーステアリングシステム。
10年前のテストドライブでの記憶を呼び出しつつ、もしかすると当時より少し前側に回転軸の中心が有り、調整しろが狭い印象が有るのだが、現在の基準と比較しても非常に俊敏なクルマだ。
そしてもちろん、タイプRのハイライトは、エンジンだ。今でも5000rpm以上で明確に活発になり、レブリミッターに当たる8700rpmまで力強く回転する。
軽量なフライホイールの慣性が弱く、5速マニュアルの操作ではギクシャクしてしまうのだが、ギア比が低くクロスしているのでシフトダウンする際、ヒール・アンド・トウを使ってスロットルで回転数を合わせる必要はほとんどない。
まるで本当の精密機械のようだ。インテグラ・タイプRの価値が高まる理由を知るのに数分もかからなかった。
一方で、なぜ新車当時に、販売台数が伸びなかったのか理解できないが、いま入手できる最もよいコンディションのクルマを探して、それを維持する価値はあると断言できる。
インテグラから失わせてはならないものは、VTECエンジンの強烈なフィーリングだけでなく、それを上回る素晴らしいハンドリング性能だ。
このクルマは世界最高の前輪駆動車というだけでなく、世界で最高のドライバーズカーだと思う。たまたま前輪駆動だっただけなのだ。