ロードテスト(5) アバルト124スパイダー ★★★★★★★★☆☆
公開 : 2017.08.27 15:10 更新 : 2018.11.07 15:00
インテリア ★★★★★★★★☆☆
ボディワークの変更が明らかだったのに対し、室内に大掛かりなモディファイは見いだせない。
まったくもって見慣れた感じで、フィアット版を経験していれば既視感にとらわれるだろうし、マツダ版に乗ったことがあれば基本構造が流用されていることがすぐわかるはずだ。
ただし、それを問題視するか否かは、あくまで主観的な判断だといえる。なぜなら、客観的に見れば作りはよく、小綺麗で絶妙なインテリアだからだ。
座面はうれしくなるくらい低く、身の回りにあるものはどれも美的に優れる。
左腕をセンターコンソールに置くとインフォテインメント・システムのコントローラーに肘が当たることを除けば、コンパクトなクルマのキャビンながら、すべての配置は申し分ない。
アバルトならではのデコレーションは、どちらかといえばフィアット版のそれよりマイルド。目につくのは、サソリのバッジとシリアルナンバーを刻んだプレート、鮮やかな赤い盤面の回転計とスポーツモードのボタンくらいだ。
そのほか、トリムの材質に変更が見られるが、試乗車の革張りスポーツシートやアルカンターラのトリムは収まりがよいものだった。
手に触れる部分の質感に関する満足度の低さが、アバルト仕様の安からぬ価格を正当化できるか否かはともかく、フィアット仕様に対する変更箇所に限れば、われわれは高く評価できる。
コスメ程度の手直しだが、それも悪くないと思わせる仕事ぶりだ。