ロードテスト(5) アバルト124スパイダー ★★★★★★★★☆☆
公開 : 2017.08.27 15:10 更新 : 2018.11.07 15:00
購入と維持 ★★★★★★☆☆☆☆
昨年の導入時にフィアットが主張したMX-5に対する優位性は大げさにも聞こえるものだったが、コストパフォーマンスに関していえば納得できる。
比較的高い値付けをするトリノの傾向はこのアバルトでも衰えておらず、兄弟車たちと同じ日本製である事実も、£29,565(417万円)という初期投資を将来的に削減する原動力とはなりそうもないといえる。
たしかに、このクルマの追加装備やほかでは得られないパフォーマンスは、フィアット版のそれ以上にMX-5との差別化に貢献しているが、基本的な装備内容を比較すれば、マツダ版でも充実していることに気付くだろう。
維持費に関しては、大差ないといっていい。CO2排出量は、小排気量ターボのアバルトが148g/kmで、MX-5・2.0ℓ自然吸気仕様の161g/kmより少なく、英国では税制優遇で初年度の経費に£300(4万2000円)ほどの差がつくが、それも購入初年度だけの話だ。
CO2排出量が少ないということは、燃費でも勝るということ。公称値は、アバルトが15.6km/ℓで、マツダの14.5kmを凌ぐ。
今回のテストでは、定速巡行で16.0km/ℓ、タイムアタックなども含むテスト期間通算で12.5km/ℓだった。実測値としてはまずまずといえるが、以前に試乗したMX-5に決定的な差をつけるほどではなかった。
価値の推移
装備類が同等のMX-5より新車価格はやや高いが、残価も多少上だ