すばらしきタルガの世界(2) トヨタMR2 vs ランチア・モンテカルロ・スパイダー

公開 : 2017.08.29 20:32  更新 : 2021.01.28 17:38

トップ 2台の明確な違い

MR2のTバートップはルーフパネルが2分割で、それぞれを左右のシートの後ろに収納する。Tバーとしてはごく普通の手法だ。

一方、ランチア・モンテカルロのスパイダーはもっとスマートで、省スペースのアイディアを実現した。

ピニンファリーナが考案したそれは、巧妙にテンションをかけてソフトトップを張りつつ、それを開けるときには、リアウインドウの上のスペースに簡単に巻き込めるというものである。

完璧なコンディションのモンテカルロ・スパイダーを取材に提供してくれたのはニック・レヴィトン。30年以上も前の新車当時から彼の家族と共にあったクルマで、「これからもそうだよ」とレヴィトンは断言する。

多くの古いランチアと違って、このモンテカルロはオリジナルの状態を保っている。彼の叔父がジャガーE-タイプを売ってこれを購入して以来、一度も板金修理を行っていないし、レストアとも無縁だという。

「わたしが面倒を見るようになって14年になるけれど、今でも叔父が乗っていた頃と同じ感覚ですね」とレヴィトン。

「雨の日にはほとんど乗りません。アンサのマフラーは後付けですが、これも今では30年になる。エアコンもちゃんと動きますよ。効きはあまり良くないけどね」

「スパイダーにエアコンを装着することが、そもそも普通ではないのかもしれないですね。エアコンを付けるか、オープンエアのスパイダーにするか、というのが普通の選択でしょうから。しかしこのクルマはスパイダーの最終型で、エアコンを含めてフル装備だったんです」

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