玄人だけわかる? 限定フォード・フォーカスRS「エディション」試乗記
公開 : 2017.08.30 12:40
■どんな感じ?
「玄人」のみが理解できる領域
今回のアップデートの重要なポイントは、デフの刷新であり、その他に機械的な違いはない。
したがって、違いを精査するために、今回のテストは、ラドゥにある巨大なプルービング・グラウンド内のミシュランのウェット・ハンドリング・コースで行われた。
テストは、標準モデルのRSと交互に乗り換えて行われたため、刷新された箇所の違いをよく認識できた。
スプリンクラーで水を撒いた滑りやすい路面のテストコースでは、コーナー中腹におけるアクセルのオンに対して、4輪駆動システムが介入するまで、標準車はプッシュアンダーステアで応える。
トラックモードを選択し、ESCをミドに設定すると、RSはそのトレードマークともいえる4輪ドリフトモードとなる。
その豹変ぶりは、エキサイティングでもあり手強いものである。これこそがわれわれがここへ楽しみに来た理由でもある。
新しいデフが装着されたクルマでは、後輪によって押し出される感じと同じ位、前輪によって引っ張られる感覚を得られ、RSを4輪駆動車としてよりバランスに優れたクルマにしている。
デフが差動制御により空転を抑制するため、ESCの介入頻度は低くなり、プッシュアンダーステアも抑制される。そして、後輪のトルクベクタリングが介入することにより、スムーズで迅速なコーナーへの進入が可能となる。
間違いなく、より速く、より快適である。
しかし、このことが、RSがこれまで築き上げてきたピュアなドライビングマシンとしてのキャラクターを害することにはなりはしないだろうか? という疑問を抱く。