アストン マーティンV8ヴァンテージ 300台限定「AMR」試乗記
公開 : 2017.09.01 11:50 更新 : 2017.09.01 12:44
■どんな感じ?
内外装 加飾を気に入るかどうか
ヴァンテージの持つ緊張感のある筋肉質なスタイリングは、見慣れた感があるものの、今でも非常に魅力的だ。
ライムグリーンのアクセントは控えめな美しさとは若干不釣り合いに感じられ、これは意見が分かれるところだろう。
眩しいストライプや蛍光色のキャリパーを気にしないとしても、内装にもライムグリーンのパイピングが、ダッシュボードやシートのアクセントになっていることもお忘れなく。
機器の操作系は初期モデルよりも遥かに使いやすくなっているが、ボタン類が並ぶ姿はどこか中型の電子レンジのようにも見えてしまう。
少なくとも、インフォテインメントシステムは直感的で操作しやすく、シートポジションも適切だ。オプション装備となるシートバックが固定されたバケットシートも、標準の2ピースのシートよりしっかり体をホールドしてくれる。
クラッチとシフトノブの重さを感じながら、楕円形の鍵をダッシュボードのキーホールにかなりの力で押し込んでやると、エンジンが目を覚ます。
安楽なGTではなく硬派なスポーツカー
運転席とドアの間に取り付けられたハンドブレーキの解除ですら力が必要で、ステアリングも重く感じられる。
ヴァンテージはアストン マーティンのスポーツカーであり、安楽なGTでは無いことを再認識する。
少しペースを速くすると、ヴァンテージの本領が見えてくる。ごく低速域では固くタイトなショックアブソーバーが、80km/hを超えた辺りから顕著にしなやかに感じられるようになる。
サスペンションのストロークも十分で、路面の凹凸を逐一拾うこともなく、なめらかにボディを前進させていく。
ステアリング・インフォメーションもはじめのうちは軽く曖昧に感じられるが、徐々にフロントタイヤからのフィードバックが届くようになり、細かな振動や路面の変化を指先で絶え間なく感じ取れるようになる。
どんなに優れた電動パワーステアリングであっても、油圧パワーステアリングのこの感触やフィードバックを得ることはむずかしいだろう。
もっと飛ばしてみよう。