スバルBRZ(新車) vs TVR T350(中古) どちらが買い? 走りで勝負

公開 : 2017.09.02 11:40  更新 : 2021.02.17 17:44

キャラクターはTVRが圧倒

TVRの大きなマフラーから聞こえる不協和音は、まるでゴリアテの戦争でも始まったかと勘違いするほどのボリュームだ。

路上では、緊張感のある破裂音の方が目立つのだが、4000rpmを超えると音量が開放され始め、5000rpm辺りになると直列6気筒エンジンは地鳴りのような爆音を放つ。

耳をつんざく音は、聴覚が麻痺するのではないかと思うほどで、シフトアップ直後2000rpm程に回転が落ちるのもつかの間、スロットルを開けてシフトアップ・インジケーターが緑から橙、赤と変わる度に狂気が繰り返される。

2017年の今、もっと簡単に385psを生み出す方法はあるが、ここまで気勢なエンジンは他にない。

ABCのアルミニウム製ペダルの位置はオフセットしているが、T350のショートストローク5速マニュアルは締まった機械的な感触がある。

機能を優先で作られているはずだが、古くなることのない常套手段、ヒール・アンド・トウの決まりも良い。

一方で、現代の多くのクルマよりも面白みがあるとは言え、スバルの水平対向4気筒エンジンの感覚は、TVRの直列6気筒に比べると、予想通り普通の印象となってしまう。TVRの狂気のような排気音を聞いた後だと特に。

6速マニュアルは同様に締まった節度の良い操作感で、ペダルの位置も良好だ。0-100km/hの加速には、3.9秒でこなすTVRの倍の時間が必要だが、遅いという印象はない。

エンジンは2000rpm以下では活発さに欠け、3250〜4000rpmの間にトルクが落ち込む谷がある。シフトアップする際は、4750〜7000rpmのスイート・スポットを意識して操作したほうが良いだろう。

しかし、スバルのシャシーはTVRが持ち合わせていない俊敏さと落ち着きをバランスさせている。

またスバルの電動パワーステアリングの設定はTVRの油圧式よりも漸進的で、中央付近のフィーリングは希薄だが、スピードを上げていくとぐっと重さが増し、路面の変化を伝えるようになる。

スバルのステアリングは十分クイックで正確なだけではない。

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