投資すべき軽量スポーツ ルノー・メガーヌR26.R vs アリエル・ノマド
公開 : 2017.09.02 15:40 更新 : 2017.09.02 15:46
思った以上に心地よい
ロールアウトから半年という今回の試乗車は、調整式のビルシュタインと18インチホイールを装着するが、これはオンロード向けの硬いコンビネーション。
それでも、乗り心地はやや節くれだっているが、英国の高速道路での長距離走行も楽にこなす。
トラベルがどこまでもあるスプリングと油圧バンプストッパー、15インチホイールを装備した仕様もあり、これも探す価値のあるバージョンだが、それと今回のクルマとは走りの印象がまったく違う。
オンロード志向のテストカーは、車体を大きく傾けることはなく、チェダー渓谷を抜ける有名なワインディングロードであるB3135を、まるで獲物を追う猟犬のように辿っていく。
R26.Rならばなおのこと、WRCのターマック・ステージを再現したようなこの道はお手のものといった走りを見せる。
後任に当たる275トロフィーRと比較すると、このメガーヌの油圧ステアリングはスローかつソフトなタッチで、プロクセスのハイグリップにも助けられた素晴らしく甘美な方向転換の感触を、よりよく伝えてくれる。
実際には、より新しいモデルほどそのグリップを生かせていないにも関わらずだ。
それよりも、このRほど汎用性の高い前輪駆動車はない。実に深い運動性の持ち主だ。より軽く、切れ味鋭く、速くなったのと同時に、ドライバーがより自信を持って走らせられるクルマになっている。
2.0ℓターボが発生する230psは、今や猛烈に速いと感じるには十分ではない数値だが、これほど有無を言わさぬスピードでコーナリングし、長く所有することに報い続けてくれるハッチバックはいまだに存在しない。
対するノマドは、狂おしいほどに速い。