プジョー・インスティンクト・コンセプト試乗 自動運転の未来を予告
公開 : 2017.09.02 23:20
室内の構成 上下3要素に分かれる
「iデバイス」とはプジョーのiコックピットシステムのコントローラーで、走行モードのセレクターも兼ね、表面は穴開け加工がされたレザーで覆われる。
設置場所はキャビンの中央部で、ウエストより高く肩より低い、手の届きやすい位置だ。
プジョーはインスティンクトにおいて、キャビンの構成要素のエリア分けを提唱している。
iデバイスが属する肩とウエストの間は「ハンズ」と呼ばれ、予期できる場所を手探りで操作できるように設計される。
肩より上が「アイズ」と呼ばれ、豊富なガラススペースや視線上のデザイン、デジタル式のルームミラーなどがそれだ。
それらより下の部分は「ボディ」として、快適性に配慮した設計が施される。
体を包み込むシートや広々とした足元、そしてホッサンが「本当に家のよう」というフィールを生む調度品などがそれに当たる。
プジョーがインスティンクトを、人間の運転と無人運転との境界にあるものと位置付けているのは確かだ。
世界的に、一方がもう一方を完全に駆逐すると見なされる傾向にあるせめぎあいの、ちょうど崖っぷちにあるというわけだ。
とはいえ、所詮はコンセプトカーに過ぎない完成度で、今回の試乗では、4つあるという走行モードや、完全自動運転も試せず、低速でのEV走行を体験したのみとなった。
それでも、インスティンクトが示したアイデアが今後も育まれていくなら、自動運転車になる手前、つまりひとが運転するクルマにも希望は残されるだろう。