1987年式BMW M5(E28)に試乗 元祖「羊の皮をかぶった狼」

公開 : 2017.09.03 11:10

フェラーリ328GTBよりパワフル

さらなる違いはエンジン。

M5は24バルブの3.5ℓエンジンを搭載していたが、このエンジンはM1にも搭載されていたもの。

ピストンの仕様を変更するなどしてストリートユースに仕上げられているが、それでもパワーは285psを発生させる。当時としてはかなりのものだ。

数字だけ見れば今では大したことないようにも思えるが、フェラーリ328GTBよりもパワフルだった、という一文を付け加えるだけでそのすごさがわかるだろう。

それだけではなく、ギア比がクロスしたゲトラグ社製ギアボックス、ショックアブソーバーとスプリングレート、大きめのブレーキに16インチのホイールなどもそうだ。

ただこのホイールは、パッと見で違いを見分けるのはむずかしい。また、Mのバッジはタコメーターとシートの背もたれ部分に控えめについているだけだ。

ふつうのモデルと比べると、スピードメーターのスケールが170mph(280km/h)表示に変わっていることに気づくかもしれない。これは同時期のE30 M3に通ずるもので、これまた控えめである。

ただし見た目とは裏腹に、スポーツカーマーケットでの存在感はピカイチであった。

運転席に腰を下ろしてみると、コックピットがタイトだということに気づく。そして見切りの良さも感じるはず。スクエアなボディは、間隔をつかみやすい。

キーを捻ってみる。

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