ダイハツ・ムーヴ試乗記 マイナーチェンジ版 装備、地味だが着実な進歩
公開 : 2017.09.04 15:40 更新 : 2017.09.04 17:00
あると使ってしまう「パワーモード」
「パワーモード」はステアリングホイールのボタンを押すだけで、エンジンとCVTの制御がより活発になる機構なのだが、今回のようなNA車では、エンジンパワーが明確に上がるわけでもなく、またCVTにはSレンジも用意される。
つまりは、パワーモードなど使わずとも、積極的にアクセルペダルを踏めば同等の効果は得られるわけで、「ただのギミック」といわれれば反論はできない。
ただ、この種の実用軽のユーザーはクルマの運転に苦手意識のある向きが多く、潜在的に「アクセルを踏むのが怖い」と思っていたりもする。
上り勾配や合流などの「イザ!」というときに、ことさらに右足を踏み込まずとも指1本でスルスルと穏やかに加速力を増してくれるパワーモードは、なるほど、そうした方々には使い勝手が良さそうだ。
かくいうわたしも、3日間の試乗で、いつの間にかパワーモードスイッチを多用するようになっていて自分でも驚いた。これは「加速したいならアクセルを踏むべし」というクルマの本質からは少しばかりハズれたギミックであり、いかにも日本的な本末転倒感はある。
しかし、うまく使うと街中でよく出くわす「少しだけ加速したい」というシーンをスムーズにこなすことができて、素直にラクなのだ。