見た目は93年式レンジローバー 中身はディスカバリー3 3540万円の価値は
公開 : 2017.09.05 12:10 更新 : 2017.09.05 17:41
どんな感じ?
この手のクルマの「いやらしさ」なし
現代のレンジローバーと比較すると少し小さいものの、佇まいは第二次世界大戦を戦った戦車のような存在感。威風堂々とは、まさにこのことだ。
中を覗いてみる。バックミラーやステアリング周りすらも新車当時のようだ。ノーマルのシートに腰を下ろし、ノーマルのステアリングを握る。
皮は「ブリッジ・オブ・ワイル」社の柔らかな皮に張り替えられていて、足元にはウィルトンカーペットが敷かれる。アルカンターラの天井も相まってとても華やかな空間にいるような気さえする。
Apple CarPlayはアルパイン製のタッチスクリーン式オーディオでは使用不可となっていた。そしてここで気づいたのは、もともとレンジローバー・クラシックの内装はこんなに豪華ではないということだ。
忘れていたが、レンジローバーはビレット・アルミニウムのパネルなどを使いスパルタンな内装だったはずなのに、いま目の前に映っているのは豪華さと古さ、それからモダンさが上手に織り交ぜられた内装だ。
この手のクルマは、作り手の私念のようなものがしばしば感じられ、ともすれば違和感に繋がるのだが、このクルマにいたっては素敵だ。いやらしさはない。
ちなみに内装に関しては顧客の要望を叶えてくれるそう。
人間工学に基づき、スイッチ類はセンターコンソールのあたりに集約されていて、まずまずのクオリティ。電動シートのスイッチは、初動が少し唐突すぎやしないだろうかと思ったが、座り心地はふわっとしておりホールド感に溢れ、高貴な気持ちになった。
取材当日はカラーシャツという身なりだったが、このクルマに乗るならばネクタイを締めて、大物と話すときのような恰好をしたほうがよさそうだ。
スペース面でも架装の恩恵を受けている。スペアタイヤの収納スペースなどが改良され、テールゲートを開くと広大な空間が迎えてくれる。これは明らかにかつてのものとは違う点だ。
エンジンに火を入れてみよう。