軽く1億超え 現存7台のEV リマック・コンセプト・ワン 助手席試乗
公開 : 2017.09.06 16:10
油断禁物 呼吸わすれぬために
€20,000,000(26億円)を投じてサプライヤーからシステムをまるごと買ったというスケールのみならず、インフォテインメントの機能自体も印象的だった。
最初それを見たときの感想は「平凡なもの」であったが、それは間違いだったことに気づく。
タッチスクリーンは、様々な設定が可能となっているが、例えば特筆すべきはトルク配分。フロントとリア、どちらに分配させるかをグラフィックで選択できる。また路面の凸凹に対応するサスセッティングなども調整可能だ。
さて、いよいよ走り出す。コースはカリフォルニアのモントレー、広大な私有地が広がるところだ。野獣が解き放たれる。
電気自動車のコンセプトワンは、1240psを発生させる。モーターは各車輪にひとつずつ、つまり合計4個のモーターを備えている4駆だ。1秒間に100回転し、加速/減速をおこなっているのだが、これはインフォテインメントで確認することができる。
0-100km加速は2.6秒でこなすとのことなので、まっすぐな道に持ち込んでどんな感じか試してみることにした。
全開にするとさすがモーター、トルクの伝達が早く、まるでタイムワープしているかのように加速する。スーパーカーにこのような動力機関が合っているとされるのはこの理由からだろう。
予想外に静かで速かったので、息をするのを忘れてしまうほどだった。
今回の試乗は短時間で、曲がりくねった道でのテストはできなかったがテストドライバーの横暴にも応えるあたり、ハンドリングの性能も確かなものだろうと確信している。
わたしはザーンツェビックに「ポルシェやブガッティと比べてアドバンテージはどこにあるのか?」と尋ねたところ、「トルク配分機能はほかと違い、このクルマはポルシェ918スパイダーやヴェイロン、ラ フェラーリを基準にしていますが、たいせつなのは、それらを参考にしたのではなく、反抗するために作ってることです」
「これが驚異的な速さに繋がっているのです」
ザーンツェビックの目の奥がギラリと光った。