パナメーラ「4 E-ハイブリッド」試乗 4/4S/4Sディーゼルより優勢か
公開 : 2017.09.07 12:10
どんな感じ?
「まぎれもないパフォーマンスの香り」
購入予算が£100,000(1424万円)前後なら、4S比で22ps/15.2kg-mのアップを果たしたこのハイブリッドは、パナメーラのラインナップにおけるスイートスポットだと考えるかもしれない。
現実的なパフォーマンスを知る指標は結局、いつの場合にもゼロスタートより追い越しでの加速性能だ。マニュアルモードでは、高いギアでの単調な走りからでも、E-ハイブリッドは即座に力強く活発に速度を上げていく。
走行モードは、エレクトリック/ハイブリッド/スポーツ/スポーツ+の4つ。
エレクトリックモードでは、フル充電時にモーターのみで40kmほど走行でき、市街地での十分な動力性能と、EV走行特有の静粛性も発揮する。
このゼロエミッション走行と、スポーツモードとのコントラストは激しい。V6ツインターボが荒々しく唸り、まぎれもないパフォーマンスの香りが嗅ぎ取れるようになるのだ。
キャラクターの濃さ 実務レベルの高さ
市街地の速度域で走っていると、8段DCTはレスポンスとスムーズさの両立に苦戦する。しかし、もっとハードに加速できる場に出ると、作動はクイックで、ふたつの原動機が生み出すトルクをみごとにブレンドしてみせる。
回転が上がるほどに、むしろ「がんばってる感」はなくなり、パワートレインの特殊性も感じさせなくなるのである。それでいて、自己主張が弱いということは決してない。
E-ハイブリッドの、より高額な4Sに対するアドバンテージとしては、アダプティブ・エア・サスペンションの標準装備が挙げられる。
それは、乗り心地とハンドリングにおいて、しなやかさやショック吸収性、ボディコントロールをみごとに調和させている。
ハイブリッドゆえのバッテリー重量によるハンデは横荷重の大きさとして表れているが、公道上の一般的な速度域では、精確さや、サイズのわりに優れた敏捷性とバランスを、大きく損なうほどではない。