みたことある「あのアート」 どのように作られる? 芸術家を訪問

公開 : 2017.09.09 17:10

並行して進むプロトタイプ 最長で9カ月

製作過程は、その大きさに関わらず一貫している。フルスケールのクルマの彫刻では、10mmの鉄線を使ってMIG溶接し、スプレーで塗装する。

一方で、例えば、ランチアのような場合は、3mmの鉄線を溶接しTIG溶接し、パウダーコーティングする。

いずれにしても、曲げたり、形づくることは手作業で行われ、所要期間は、10から16週間。ラドクリフは、同時にスタジオの外で、JCB掘削機や全長6mのコマツの採鉱トラックといった、フルスケールに及ぶ、ほかのプロジェクトも手がけている。所要期間は、9カ月であり、その重さは、彼のクルマの作品の10倍ほどの1500kgである。

ほかの芸術品と同様に、それらに付けられる価格は流動的である。ラドクリフは、初期のスバルの作品を約£23,000(330万円)で売り、ヒースロー空港は、2014年にロンドンタクシーに£100,000(1400万円)を支払った。

次の作品であるF40は、ニューヨークのクラシックカークラブの依頼で製作され、その後は、プジョー205 GTi、または、クレーマー・レーシングのポルシェ935であるかもしれない。

リクエストされたモデル名を語る彼の眼は輝いている。

もっとも好きなクルマは? という質問に対する彼の答えを聞いて、狂気的にさえ感じるアートができあがる理由がわかった気がした。

「わたしはフェラーリ288 GTOがとても好きです。あのホイールアーチは、たまらない。とてもセクシーです!」

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