すばらしきタルガの世界(4) フェラーリF355 vs TVRタスカン
公開 : 2017.09.08 15:10
タルガ特集も終盤。フェラーリF355とTVRタスカンという、一見、共通項のすくない2台ですが、乗ってみるとおもしろい気づきがありました。
もくじ
ー 戦いを余儀なくされたフェラーリの解
ー 「SF映画のセットのような別世界の感覚」
ー 18歳未満お断り? 生々しくも恐ろしい
ー 2台のスペック比較/もうひとつの選択肢
戦いを余儀なくされたフェラーリの解
レースは血統を育てると言われるが、フェラーリの場合、「使いやすいスーパーカー」という競争にシフトした。
なぜか。当時、ポルシェ(993)とホンダ(NSX)に販売台数が奪われ始めていたからだ。
そこでフェラーリが送り出したのがF355。スタイリングにはまだ308の面影を宿すが、その内側には目を洗うようなパフォーマンスと驚くばかりのダイナミック性能、そしてドイツ車にも匹敵するクオリティを秘めていた。
ポール・クリフォードは今回の取材車を2年前に購入した。「以前はマセラティ3200GTを持っていたが、もっと信頼性の高いクルマに乗り換えたいと考えた」と、彼はF355を選んだ動機を説明する。
「今日まで通常の整備にしかコストがかかっていないですよ。すごく安いクルマではないけれど、ちょっと古いメルセデスを買うのと同じぐらいですよ。実のところ」
GTBやスパイダーもあるなかで、GTSは最も数の少ないF355だ。右ハンドル仕様は500台たらずしかない。
クリップを緩めるだけでルーフパネルを取り外せ、それをシート背後に格納すればコクピットはフレッシュエアに包まれる。