「立ち消えになった」コンセプトカー20選 あなたは何台知っている?

公開 : 2017.09.09 06:10

キャデラック・シックスティーン(2003)

コンセプトカーの素晴らしい点は、辻褄合わせの必要がないこと。まさにこのキャデラック・シックスティーンは、そんな美点を体現する一台だ。

GMの最高級部門を担うディビジョンであるキャデラックは、V16エンジン搭載の高級車を本格量産した、世界で唯一のメーカーでもある。1930〜40年頃に生産されたV16モデルは、4076台を数える。

その栄光を現代に蘇らせたコンセプトカー、その名もシックスティーンは、既存のV8を応用したV16を積む。排気量は実に13,699cc、最高出力1000ps、最大トルク138.3kg-mを謳うとてつもないエンジンだ。

まあしかし、冷静に考えれば、これが市販化される時代でないことには納得がいく。GM的にも量産するなどとはひとことも口にしていない。

製作されたのは1台のみで、今は米ミシガンのGMヘリテージセンターで来場者の目を楽しませている。

ランチア・フルヴィエッタ(2003)

かつては栄耀栄華を誇った高級ブランド、ランチアだが、今やその影は薄い。イタリア国内専売のブランドとなり、ラインナップはイプシロンのみ。

もしもフルヴィエッタを市販化していれば、状況は異なるものになっていたのではないだろうか。正直言って、このクルマに目新しいテクノロジーは何ひとつ使われていないのだから、量産するのに苦労する材料などなかった。

クライスラー車のバッジを付け替えるよりは手間がかかるかもしれないが、どちらの方が効果的かは推して知るべし、というところだ。

メカニズムは、実績十分なフィアット製コンポーネンツの流用品だ。グループ内の小型車に広く採用されるシャシーに、これまた多くの車種に搭載される1.7ℓガソリンユニットを搭載していた。量産してほしかったコンセプトカーを多数紹介しているが、いろいろな意味で残念度はこれがダントツでナンバーワン。

シボレー・ノマド(2004)

ノマドの名は1954年、コルベットをベースにしたコンセプトカーがルーツ。

その後、シボレーが1955〜57年に生産した、いわゆる「トライ・シェビー」の1バリエーションに与えられ、その後もいくつかの市販車にその名の仕様が設定されている。

1999年には、カマロがベースのコンセプトカーが同名で登場するも、さほど注目されずに終わり、その5年後、ポンティアック・ソルスティスなどに用いたカッパ・プラットフォームで製作されたのが、このコンパクトでスマートなシューティングブレークだ。

なお、歴代ノマドは全てワゴンボディである。

この2004年版は、2001年に登場したBMWミニの成功に触発された部分が大きい。レトロルックとリバイバルネームを与えられたこの2ドア・ワゴンを、GMは真剣に量産しようと考えた。

しかし、シボレーを大衆車ブランドとして固定するプランが持ち上がり、プレミアム性を持たせた商品であるノマドはその方針にそぐわないとして、市販化が見送られたのである。

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