「立ち消えになった」コンセプトカー20選 あなたは何台知っている?
公開 : 2017.09.09 06:10
ダッジ・ゼオ(2009)
ダッジから何を選ぶかで、編集部の意見は二分した。しかし、もう一方の候補だったサーキットは、所詮はロータス・ヨーロッパをEV化しただけのものだということで、このゼオを紹介することになった。
ピックアップ・トラックやSUVでおなじみのダッジ・ブランドだが、2008年のデトロイト・ショーにはEVファミリーカーを出展すべく、このクルマを製作した。
ファミリー向けEVと聞くと、ダルなものかと思うだろうが、侮るなかれ。272psの最高出力と400kmの航続距離もさることながら、0-97km/h加速が5.7秒という、クルマ好きも納得のパフォーマンスを備えているのだ。
ジャガーC-X75(2010)
早いもので、ジャガーC-X75がパリ・サロンで華々しデビューを飾ってから、もう7年も経ってしまった。
それ以来、このスーパー・ジャガーは『007』シリーズで銀幕を彩り、少数限定ながら生産目前まで行きながら、突如として計画中止となってしまったのは、今でも惜しまれるばかりだ。
本来のプランは、ウィリアムズF1の協力を得て250台を生産する予定だったが、2012年にジャガーは突然尻込みし、世界的な景気後退を受けて、C-X75の販売は難しいだろうと表明したのだ。
実に残念だが、これはジャガーなりの保険だ。かつて、同じく世界が不況に見舞われたとき、XJ220をトーンダウンさせて市場に送り出し、顧客に訴訟を起こされたことをご存じの読者もおいでだろう。
それを踏まえれば、同じ轍を踏みたくないとジャガーの首脳陣が考えたとしても責めることはできない。
ルノー・デズィール(2010)
史上最も美しいコンセプトカーはと問われたら、このクルマが思い浮かぶかもしれない。
どのアングルから見てもパーフェクトで、7年前に導入されたルノーの当時最新だったデザイン言語に則したものだとひと目でわかる。この流麗な2座EVに連なる市販モデルを、いまだにルノーが造りえていないのは、まったくもって理解に苦しむところだ。
実現のためにルノーは、今よりスポーティなイメージを確立するか、パフォーマンス志向のサブブランドを用意することが必要なのかもしれない。もっとも、後者はアルピーヌの復活により、ほぼ閉ざされた道となったが。