現役引退間近 技術よりも「情」なパフォーマンスモデル一気乗り(前編)
公開 : 2017.09.09 20:10
V8ヴァンテージ 男気と色気
アストン マーティン・ヴァンテージは2005年にリリースされたが、毎年のように洗練性を増してきた。
操作系すべての適切な手応え、クラッチペダルやシフト、ステアリングの重さ、ハンドブレーキの硬さなど、最初は少し力がいるように感じるが、すぐにクルマとの一体感に変わるはずだ。
今回のクルマは300限定生産のAMRバージョン。AMRはAston Martin Racingの頭文字で、ル・マンでのクラス優勝を果たしたアストン マーティンのパフォーマンス・ブランドとなる。
今後、工場のあるゲイドンを代表する高性能モデルがリリースされる可能性もあるが、今のところはステッカー類とインテリアの派手なトリムが追加された程度だ。
しかし、それでクルマの魅力が失われたわけではない。
低速域では指揮者のいないオーケストラ演奏の様に不協和音が響くのだが、ペースを上げると一変する。ヴァンテージの場合、スピードこそが指揮者となる。乗り心地や操舵性、エンジンとミッションなどすべてが調和してくる。
V型12気筒エンジンを積んだヴァンテージと比較すればスピードは劣るが、V型8気筒4700ccのエンジンは特徴的なサウンドを聴かせてくれる。
クルマは高次元でバランスされ、完璧に路面に追従しステアリングからのインフォメーションも絶えることがない。これと同様なドライビングを体験できるモデルは他にないだろう。
アストン マーティンが間もなくリリースする新モデルが、どんな変化を果たしているのか楽しみだ。