お手頃ドライバーズカー選手権(1) アウディRS3 vs AMG A45
公開 : 2017.09.16 10:10
元祖スーパーカーよりパワフル
この2台の比較テストを冒頭に持ってきた理由はもちろん、さらなる進展があったからだ。ご存じのようにアウディはRS3の改良版をリリースし、AMGの奮闘をあざ笑うかのように400psを叩き出してみせたのである。そう、いまやホットハッチは、ランボルギーニ・カウンタックLP400を凌ぐパワーを得て、さらに上へ向かうことが求められるまでになったのだ。
そのRS3に乗り込むと、いつもながら上質なアウディらしいインテリアに感心する。ソリッドで簡素ながら機能的なA3のそれをもとに追加されているのは、ホットハッチの定番ともいえるコスメ。アルミの加飾パネルやアルカンターラ巻きでフラットボトム形状のステアリングホイール、ホールド性を高めたスポーツシートといった、おなじみのアイテムだ。メーカーは、その手の品々の見落としがないか、忘れ物リストを用意しているに違いない。
そう思わせるのは、AMGも似たようなドレスアップが施されているからだ。ただし、こちらの方が着座姿勢はアップライトで、ステアリングホイールのアルカンターラ部分が多い。金属調プラスティックが多用されたシフトセレクターは背が低く、マニュアル変速は自然とシフトパドルに頼ることになる。
興味深いのは、ダッシュボードに張られたテクニカル・グレインという素材で、これはカーボンを用いたファブリックのようなマテリアルだ。それ以外は、近年のホットハッチの文法通りといった仕上がりだ。