お手頃ドライバーズカー選手権(1) アウディRS3 vs AMG A45

公開 : 2017.09.16 10:10

4気筒と5気筒の決定的な差

スペック上の違いは大きくない。A45は、381psの最高出力を6000rpmで発生し、最大トルクの48.4kg-mには2250rpmで到達する。RS3にやや見劣りするが、それでも野獣のような本性の持ち主だ。


とはいえ、エンジンは2.0ℓ直4だから、5気筒のライバルに匹敵する数字を叩き出すには鞭を入れる必要があり、それゆえドライバーはよりせわしないドライビングを要求される。

しかし、A45に全く分がないわけではない。アウディは改良時にエンジンをアルミブロック化して26kgの重量削減に成功したが、それでも4気筒を積むAMGの鼻先の方が軽いのだ。それは、十分に体感できるほどである。

それは「速いアウディってこんな感じだよね」といった具合の方向性だが、それが嫌だといっているわけではない。RS最小モデルのダイナミズムには、明らかに進化の跡が見られる。

まだクワトロと名乗っていたアウディ・スポーツが初代RS3を投入した頃、彼らは4WDシステムがコーナー進入時にどのようなかたちで後輪へトルクを送ればいいかを話し合っていた。そのため、コーナー脱出はより統制の利いた、アンダーステアの抑制に主眼を置いたものだった。

ノーズの軽量化はそのスタンスを大幅に進歩させ、サーキットでのRS3は強烈なグリップレベルと、ほとんどの場合でエンジン出力に勝るトラクションを発揮する。もしも湿り気を帯びた路面では、正しく運転していても、舵角はほとんどニュートラルなままでも、ややアンダーステア気味にスライドする。それでも、十分すぎるほど速い。

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