英国限定15台 595psのヴォグゾール「VXR8 GTS-R」 最後の試乗
公開 : 2017.09.14 11:40
英国でもたったの15台しか販売されなかった、引退間近のモンスター。「現役引退間近 技術よりも「情」なパフォーマンスモデル一気乗り」でたくさんのひとが興味をもってくれたようなので、あらためてテストしました。
もくじ
どんなクルマ?
ー 荒くれ者にさようなら
ー 英国の輸入台数は15台
どんな感じ?
ー 走りは一見「GTカー」
ー ふしぎなくらいにアメリカン
「買い」か?
ー 「模範解答」に飽きたなら
どんなクルマ?
荒くれ者にさようなら
VXR8 GTS-Rは、とてもレアなモデルであり、このことは、V型8気筒モデルのヴォグゾールの終焉を意味する。多分、永遠に。
VXR8は、統廃合によってその活動を終えた、オーストラリアのホールデン社のコモドアの兄弟車である(ヴォグゾールは、これまで長い間コモドアを輸入して、グリフィンとして販売していた。モナロ・クーペについても同じである)。
そのコモドア自体も間もなく生産を終える。VXR8がレアであることは、それだけではない。古き良きこのメーカー自体がPSAグループへ売却されることも、その一因である。
最初からこんなに悲しいのは、13年の間、ヴォグゾール史上もっともパワフルなV型8気筒を搭載し、後輪で駆動する、荒くれ者にさよならをするからである。
英国の輸入台数は15台
たった15台が英国には導入されるため、レアであることは間違いない。このことが、コモドアの兄弟車の販売価格を、£74,500(1040万円)にしている理由だ。
ソフトウェアと吸気系のアップグレードで、スーパーチャージャーが装着される6.2ℓV型8気筒エンジンは、VXR8 GTSのそれと比較して、控えめな11psの出力の向上を果たし、595psの馬力を得るが、75.5kg-mのトルクは不変である。ちなみに、VXR8は、大柄なクルマであり、その重量は1880kgにもなる。
メーカーによると、VXR8 GTS-Rは、0-100km/hを4.2秒で駆け抜け、最高速度は248km/hでリミッターが介入する。このモンスターを操るために、ブレーキによるトルクベクタリングを可能にさせるLSDと410mmにも上る巨大なフロントブレーキが装備される。
レアなクルマであるから、そのクルマをテストする機会も当然レアである。われわれは英国のメディアの中で最初にVXR8 GTS-Rをテストするチャンスに恵まれた。その結果をご紹介しよう。