英国限定15台 595psのヴォグゾール「VXR8 GTS-R」 最後の試乗

公開 : 2017.09.14 11:40

どんな感じ?

走りは一見「GTカー」

まず言えるのは、他のスーパーサルーンと呼ばれるクルマとは大きく異なるキャラクターを有しているという点。

大手ドイツ車メーカーが提供する、今ではポピュラーな選択肢であるそれらは、4輪を駆動し、ツインターボで加給されるV型8気筒エンジンを搭載し、それをパドルシフトを伴う変速機で操作する一方で、GTS-Rは、昔ながらのシンプルなアプローチを貫く。

オートマッティック変速機はオプションで用意されるが、テスト車は6速マニュアル変速機が装備されており、もちろん、選択肢は後輪駆動のみである。

キャビンは、£75,000(1040万円)のクルマとは思えない酷い仕上りである。多くの素材は安っぽいプラスティックで、ダッシュボードには、フェイクのカーボンファイバートリムが奢られており、その価格を正当化するには程遠い。

しかし、シートポジション、シート、キャビンの空間、視界性など、運転するに当たって重要な項目にほとんど落ち度はない。シートは大きく、掛け心地は良く、しかも、効果的に身体を支えてくれる。

いろいろな意味でGTS-Rは、4ドアGTカーという印象を与える。心地の良いシートを別にしても、乗り心地はとてもよい。ドライブトレインを含めて、ドライバーに要求する厳しさはなく、気難しさのないクルマである。長距離をドライブするにはもってこいだろう。

しかし、センターコンソールにある小さなノブを捻って、パフォーマンスモードを選択すると、アグレッシブな意匠のエクステリアが示唆する、怒涛のスーパーサルーンへと変貌する。

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