英国限定15台 595psのヴォグゾール「VXR8 GTS-R」 最後の試乗
公開 : 2017.09.14 11:40
ふしぎなくらいにアメリカン
4500rpm辺りで排気バルブが開くと、消音機が消失したかのようなV8の爆音が田舎道にこだまする。
エンジンは疑いなくモンスターで、ワイドレシオのギアを介してたゆみないパワーを発散する。ワイドレシオを採用したことで、簡単にホイールスピンを起こすことなく、素晴らしいトラクションを得ている。
郊外のワインディングでは、この大きく、重いクルマを操るには、想像を超えた勇気を伴う。グリップと回頭性は良いのだが、我慢が必要である。
コーナーでは、ボディがロールし、ピッチングも激しく、減衰は緩慢な感じであり、ひと仕事を終えた後は、次に取り掛かる前に、それらが収束するまで待たなければならない。
すべがゴムに覆われているような感じであり、サスペンションやハンドリング、そして何をするにもぐしゃっとした感覚に襲われる。
つまり、GTS-Rは、メルセデス-AMG E63のような、超俊敏で機敏なレスポンスで応えてくれるクルマではない。しかし、ドライバーの運転スタイルを、このクルマのキャラクターに合わせて乗りこなせば、それなりに楽しめるのもまた事実である。